『タックそらをゆく』


たむらしげる
ショッピングページ

「空間」をたっぷり感じることができる一冊

ある日、広場でタックが拾った一羽の傷ついたヒナ。タックはそのヒナにクックという名前を付けて、愛情とたっぷりの食料をそそいで育てます。すると、クックは日に日に巨大化し、そしてとうとう…。(続きは本書で)

初版は1980年。淡い色合いとコマ割で構成された、国内絵本っぽくない絵本です。

表紙を見て、『ニルスの不思議な旅』のように、「少年が小さくなって白い鳥の背中に乗る話」だと思われた方は多いんじゃないでしょうか?実は逆で、「大きな白い鳥の背中に少年が乗る話」です。そのせいか、構図や視点がダイナミックに変化し、空間をたっぷり感じさせてくれる一冊になっています。

また、たむら先生の遊び心による、隠れキャラ的な細かい描写もたくさんあり、それを発見する楽しさもあります。

そして、ウェットながらもサッパリとしたラストは、クックと過ごした時間を通して成長したタックのその後を予感させ、ビルドゥングスロマン的な味わいもあります。


ちなみに、オビのコピーは僕が担当いたしました!書店でご覧いただければ幸いでございます。書店の絵本売場にはマストな一冊です!

【判型】B5変形、上製
【頁数】32P
【発売】2006年8月